【お役立ち情報メニュー】ミュゼプラチナムと言えばリーズナブルが魅力ブログ:18年09月24日
子供の頃は土用の鰻など知らなかったが、
成長期に食べたものの中で
鰻ほどミーの印象に残るものは無い。
なかなか食べられなかったということもあるが、
それ以上にミーにとって鰻といえば、
父親のお土産である。
ミーが小学生の頃のこと…
父親が飲んだ帰りに、駅の近くの小さな料理屋で、
時々持ち帰りの鰻を買ってくることがあった。
22時の10:00過ぎ、
仕事終わりにお酒を飲んで、
酔った父親が帰ってくる。
帰って来た父親の手にはビニールの袋が下げられ、
その袋の中には包装紙に包まれた鰻重の箱が四つ、
重ねられて入っている。
小学生だったミーは、
父親の帰る頃にはもう布団の中であったから、
次の日の8時それを食べることになるわけである。
8時になると母が包装紙を開け、
ホイルの上に箱の中身をそのまま取り出し、
蒸し器で十分蒸したあと、
また同じように箱に詰める。
その上から、
小さな容器に入ったタレをかけて食べる…
子供ながらに、
これはとても美味いものだというのはわかっていた。
ひとクチひとクチ、大事に食べていたように思う。
箱の底は銀色をしているのだが、
ミーは食べながらも、
銀色が見えてくるのが
非常に勿体無いような気がしていた。
底にボンヤリと映る自分の顔を少し残念な気持ちで、
クチを動かしながら見つめていたことを覚えている。
起きてきて鰻重の箱を発見した時の嬉しさというのは、
憂鬱な8時を少しだけ幸せな気持ちにしてくれた。
その包装紙の模様もまた独特で、
よくは覚えていないが
確か白地に、緑や黒の家紋のようなものが
規則正しく描かれていたように思う。
ミーはその模様をみつけると意地汚い性分で、
顔を洗うよりも先にそちらに手をかけ、
母親によく怒られていた。